どんな魚でも内臓は取って下処理するものですが、さんまは内臓まで食べるという人も多く、食べる派と食べない派に分かれていますよね。
肝やはらわた好きな人は、サンマの1番美味しいところを食べないなんてもったいない!と言うくらいです。
なぜ他の魚は内臓を食べないのに、さんまだけ内臓を食べられるのでしょうか?
さんまの内臓が食べられる理由や食べ方、栄養についてお話していきたいと思います。
さんまの内臓は食べる?
新鮮な生さんまの内臓は他の魚と違って、食べることができます。
塩焼きにする場合は、内臓を取り出すことなくそのまま焼いて食べられるので、サンマの塩焼きは下処理も簡単に済むんですよね。
もちろん人によって好き嫌いがあり、内臓が1番美味しい部分!と内臓ごと焼いて食べる人もいれば、内臓を食べるなんて嫌だ!といって取り出してから焼いて食べる人もいます。
内臓の味はちょっとだけ苦味があり、好きな人はその苦味がクセになると言ってさんまの身よりも内臓目当てでさんまを買う人もいるくらいです。
お酒を飲む人は、あの苦味がおつまみにもピッタリ合うんですよね。
苦いのが好きじゃない人もいるので、さんまの内臓の苦味でも好き嫌いが分かれますよね。
さんまの内臓は食べることができますが、食べるか食べないかは、完全に個人の好みで分かれてしまいます。
また、内臓は痛みやすいので新鮮な生サンマの塩焼きでもしっかり火を通して食べたいですね。旬の時期以外に売っている解凍のサンマの場合は、内臓は食べない方が安心です。
さんまの内臓が食べれる理由
さんまの内臓を食べられる理由は、さんまの体の構造にあります。
さんまは無胃魚といって、体の中には1本の長い消化管があるだけで胃袋がありません。
そのため、さんまはエサを食べてから排出するまでの時間が短く、数十分で消化して排泄するんです。
すぐに排出するので、私たち人間が食中毒を起こす原因になるものが内臓の中に残っていないというのがさんまの内臓を食べることができる理由です。
さんま漁は夜間に行われていますが、さんまは日中プランクトンを食べ、夜は何も食べないので、捕獲されたさんまの内臓の中は空っぽになっています。
さんまの内臓が食べられるのにはもう一つ理由があります。
他の魚の内臓が取り除かれる理由の一つに、魚の内臓には海の汚染物質がたまりやすいということがあります。
その海の汚染物質は海底にたまるのですが、さんまは海底で泳ぐこともなく海面付近を泳ぎます。そしてさんまの寿命は短く、汚染物質が体内にたまってしまうほど長く生きることはできないのです。
さんまの内臓の栄養は?
さんまの内臓は栄養豊富と言われています。
さんまの内臓に含まれる主な栄養分は次の通りです。
- ビタミンA
- ビタミンB12
- カルシウム
- 鉄分
中でもビタミンAが特に豊富に含まれています。
ビタミンAはウイルスなどから体を守り、抵抗力を高めてくれます。
ビタミンAには「レチノール」も豊富に含まれています。
レチノールと言えばスキンケア商品にも使われていることがあり、聞いたことがある人もいるんじゃないでしょうか?
このレチノールには、目の健康や美容効果があると言われています。
肌のターンオーバーを促し、女性には嬉しいコラーゲンの生成を促進する働きがあるんだそうですよ。
レチノールは、シミ・シワ・目の下のクマの他にも、ニキビや吹き出物にも効果があると言われています。
更にレチノールはビタミンC・ビタミンEと一緒に摂ることで効果を発揮しますので、さんまの塩焼きには大根おろしとカボスを添えると効果的ですよ。
もともとさんまは栄養豊富な魚と言われており、血液をサラサラさせる、脳の老化を防ぐ、丈夫な骨を作るなどの効果が期待できますので、内臓も一緒に食べることでより多くの栄養を摂ることができますね。
サンマの内臓は食べられるか? まとめ
新鮮な生サンマの内臓は、しっかり火を通して食べることができます。
サンマ以外の魚では、内臓に海の汚染物質が蓄積されやすいのに対して、さんまは胃袋がないために食べたものをすぐに排泄してしまうので、内蔵に汚染物質が貯まりにくいと言われています。
サンマの内臓は栄養も豊富ですので、食べられれば食べた方がいいのかもしれませんが、こればかりは好き嫌いがありますよね。
内臓が食べられなくても、サンマの身にもたっぷりの栄養が含まれているので、内臓や肝が苦手な人は無理に食べる必要はないかなと思います。