賞味期限切れの卵を食べると下痢や腹痛になる可能性があります。
食品安全委員会の研究では、日本全国の卵10万個のうち、菌の汚染が見つかったのは3検体と、汚染の確率は0.0029%と推定されています。
確率は低いものの、リスクはあります。
賞味期限が切れてしまった卵は食べることができるのか、また卵の保存方法や長持ちさせるコツについてまとめました。
賞味期限切れの卵はいつまで生で食べれる?
卵の賞味期限は「生食できる期限」できめられているので、賞味期限が切れてしまった卵は生で食べないほうが安心です。
卵には、サルモネラ菌という食中毒の原因になる菌が存在している可能性があります。
サルモネラ菌は食中毒を引き起こす菌の1つです。
サルモネラ菌は、10℃以上になると増殖すると言われており、サルモネラ菌が生きたまま食べてしまうと4~72時間以内に食中毒の症状である下痢や腹痛、発熱や嘔吐などが起こる可能性があります。
この菌が万が一卵に存在したとしても、繁殖しきらない期間を参考にして、賞味期限が決められているのです。
賞味期限が過ぎた卵でもゆで卵に加熱調理したら食べられる?
万が一、卵の賞味期限が切れたとしても、『半熟ではない』ゆで卵ならば食べることができます。
なぜならば、サルモネラ菌は加熱することで殺菌することができるからです。
サルモネラ菌を死滅させるには、75℃で1分以上もしくは65℃で5分以上の加熱が必要です。
しっかり加熱調理したゆで卵なら、賞味期限が少し過ぎた卵でも大丈夫ですが、調理後は2~3日以内に食べきるようにしてくださいね。
賞味期限切れの卵を温泉卵や半熟目玉焼きにして食べられる?
賞味期限切れの卵を温泉卵や半熟目玉焼きにして食べることはできません。
サルモネラ菌は加熱によって殺菌できると言いましたが、きちんと火が通っていないと、菌が生き残ってしまう可能性があるからです。
同じように、トロトロの親子丼、オムライスなどの半熟状態は危険です。
半熟の料理がしたいときは、賞味期限内に作るようにしましょう。
古い卵が腐っているかの確認方法
卵が腐っているか見分ける方法は2つあります。
- 割ったときに黄身が崩れる、もしくは黄身と白身が混ざっている。
- 温泉が湧いているような異臭がする。
卵の外側が一見大丈夫に見えても、割ってみると腐っていることもあるので注意しましょう。
また、水に入れたときに沈む卵は新しく浮いてくる卵は古いという説もありますが、卵が腐っていても水に沈むこともあるので、割ってから確かめるのが1番よいでしょう。
ちなみに、卵の本当の賞味期限は保存状態と季節によって異なり、一般的には産卵後夏ならば16日、冬ならば57日以内であれば、生で食べても大丈夫とされています。
なぜその日数かというと、サルモネラ菌の繁殖に必要な鉄分は、卵では卵黄の中にのみ存在しており、鉄分を含んだ卵黄の成分が卵白に移行し菌が繁殖するのがその期間だとされているからです。
しかし、実際は余裕をもって、パック詰め後2週間を賞味期限としていることが多いようです。
卵の保存方法、長持ちさせるコツ
卵を長持ちさせる保存方法は、ずばり、冷蔵庫が1番です。
それ以外にも注意点があるので紹介します。
卵は冷蔵庫に保存する
卵に存在する可能性のあるサルモネラ菌は、10℃以下であれば繁殖しないとされています。
10℃以下を保つことができる最適な場所は、やはり冷蔵庫です。
20℃以上になると、増殖のスピードがあがるので、あたたかい季節は特に注意しましょう。
卵を洗わない
ほとんどの卵は、パックに詰められる前に洗浄・殺菌して出荷されています。
卵の殻には数千~1万個の気孔という穴があり、卵を洗ってしまうと気孔から雑菌が入り込んでしまう可能性があります。
買ってきた卵は洗わずにそのまま保存しましょう。
卵を冷凍しない
卵は冷凍すると、膨張して割れてしまい、細菌が繁殖しやすくなります。
ヒビが入った卵や割れた卵は、賞味期限内でもサルモネラ菌が発生しやすくなってしまいます。
加熱しても早く食べきる 常温で放置しない
賞味期限が過ぎても加熱すれば、あと何日か平気かな?と思ってしまいますが、卵に限らず、料理は常温では菌が増殖して食中毒を起こす可能性があります。
冷蔵庫で保存している半熟卵は当日中に、ゆで卵は3日以内に食べましょう。
やむを得ず常温におくとしても、2時間以内に食べきった方が安心です。
賞味期限切れの卵を食べてしまったら
サルモネラ菌に感染してしまった場合、およそ4時間~72時間で中毒症状が出るケースが多いと言われています。
症状は、発熱や腹痛などが急に出ます。
その後、悪心・嘔吐・下痢・発熱の症状が出ます。
特に子供や老人は重症になる場合があるので、市販の下痢止めなどは飲まずに医療機関を受診するようにしてください。
賞味期限切れの卵を食べると必ず食中毒になるものではありません。
食中毒の症状が出ていなければ、何も対処できません。
あまり神経質にならずに、心配な場合は水分を多めにとるようにして体調を観察するようにしてください。
賞味期限が切れた卵
サルモネラ菌は十分な加熱で死滅しますが、お子さんや高齢者、妊婦の方、体調がよくない方は、生卵や半熟状態の料理は避けましょう。
賞味期限切れの卵は十分に加熱して食べると安心ではありますが、保存状態にもよるので、なるべく賞味期限内に食べきりたいですね。