日本のお正月といえば、鏡餅は欠かせない正月飾りですよね。
昔は年末になると親戚が集まってお餅つきをして、みんなで丸め鏡餅を作っていました。
しかし、餅つき自体をする人も少なくなり、飾っている時にカビが生えてしまったりするため、お店に売っている真空された鏡餅を飾っているという家庭が増えてきました。
鏡餅の飾り方と飾る場所
子供の頃から鏡餅を見てきていても、いざ自分が飾ろうとすると「あれ?どんな順番だったっけ?」と戸惑ってしまいますよね。
真空されている小さな鏡餅は、ついた餅で作った鏡餅のように乾燥してひび割れてしまうこともないので、非常に便利で真空パックの鏡餅を飾るという人も増えています。
正式な鏡餅の飾り方は
- 鏡餅のお供え用の器である三方(さんぽう)の上にウラジロ科の常緑樹のシダの葉である裏白(うらじろ)を置く
- その上に白に四方が紅い和紙の四方紅(しほうべに)を置く
- 紅白が交互に垂れている紙を置く。呼び方は御幣(ごへい)や四手(しで)などと呼ぶ
- その上に鏡餅を置く
- 鏡餅の上にミカン科の果物である橙(だいだい)を置く
このように飾りますが、現在では少し省略して飾ることも多いです。
我が家では、白い紙の上に赤い折り紙を敷いて真空パックの小さな鏡餅を置き、小さめのみかんか金柑を乗せて飾っています。
簡単な飾りつけですが、リビングに置いてあるだけで、お正月の雰囲気を味わえます。
三方や裏白などの鏡餅の飾りはホームセンターなどでも販売されていますので、正式な飾り付けに挑戦してみたい方はチェックしてみて下さいね。
鏡餅を飾る場所
鏡餅を飾る場所は、床の間や玄関、リビング、神棚、仏壇、キッチンなどがあります。
本来、一番大きく立派な鏡餅を床の間や玄関に飾り、小さめの鏡餅はキッチンや各部屋に飾る風習があります。
真空パックの鏡餅は小さめのものが多いのですが、複数の鏡餅を飾らない場合は床の間に飾ったり、家族が集まるリビングなどに置くといいでしょう。
鏡餅を飾る日にちや時間
鏡餅を飾る日にちは、12月29日と31日は避けた方がいいと言われています。
二重苦を意味する29日、31日は一夜飾りになりお葬式のようで縁起が悪いとされているため、その2日は避けた方がいいでしょう。
しかし、地域によっては29日を「福」として飾るところもあるようですので、住んでいる地域によって飾る日を決めるのもいいですね。
28日は「八」という漢字が末広がりで縁起が良いので、28日に飾るのがいいとも言われています。
28日に飾れない場合は、遅くても30日に飾れるようにしたいですね。
飾る時間は特に決まってはいないようです。
鏡餅を飾ったら、1月11日の鏡開きの日にさげてお供えしていた餅を食します。
その時は包丁などで切ることは切腹を連想させ縁起が悪いので避けるようにしましょう。
鏡餅を飾る意味や由来
お正月に飾る正月飾りは、年神様をお迎えするために飾ります。
正月飾りの中でも、鏡餅は丸い餅を重ねて飾りますが、その丸い餅を重ねるということに意味があります。
また、鏡餅というのは神様の依り代(よりしろ)となり、お迎えした年神様の居場所ともなります。
丸い餅の形は「円満」を表し、その丸い餅を重ねることで「円満に年を重ねる」という意味があります。
餅の形が丸いのは、昔の鏡(銅鏡)の形が丸く神事などに用いられたり、鏡には魂が宿るということから丸い形の餅になったそうです。
その神聖な鏡にあやかって鏡餅という名前がついたと言われています。
鏡餅の飾り方 まとめ
鏡餅の飾り方や飾る意味などを紹介しましたが、それぞれ色々な深い意味があるのですね。
思わず「へ~」と声をあげてしまいそうな昔の人の考えは素晴らしいものです。
日本では昔からお正月にお正月飾りを飾ってきました。
その中の一つである鏡餅は、毎年何気なく飾っていることも多いかと思いますが、お正月に迎えた年神様の依り代になっています。
遠い昔からある日本のお正月の風習は、どれも素敵なものばかりですね。
どんどん新しいものが増え、進化し続ける日本の未来にも残し続けたい風習でもあります。