お墓参りというと、今まで何となく行っていたけど、正しい作法やマナーがわからないという方も多いですよね。
お墓参りの作法は、宗派により多少変わってくることもありますが、最低限知っておきたいマナーについて説明します。
お墓に供えるお花やお墓参りに向かない服装など、事前に知っておけば安心ですよね。
お墓参りのマナーや作法 花のタブー
まずはお墓参りのマナーから確認していきましょう。
お墓参りに適切な時期というのは、特に決まりはありません。
家族が集まりやすく、皆で先祖のお墓に向かいやすいのはお盆・お彼岸・年末年始といったタイミングなので、いつお墓参りに行くか迷ったらそこに合わせるのが良いでしょう。
お盆の時期は、地域によって異なりますが、基本的には7月もしくは8月13日~16日の4日間です。
8月のお盆の場合の一般的なスケジュールは、
- 13日 迎え盆(迎え火を焚いてご先祖様の御霊をお迎えする)
- 14日~15日 家族揃ってお墓参りをする
- 16日 送り盆(送り火を焚いてご先祖様の霊をお見送りする)
となっています。
ただし、宗派や地域によっても異なってきますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
お彼岸は、春と秋の2回あります。
春は春分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間、
秋は秋分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間、となります。
お盆よりもお彼岸の方が期間が長めなので、比較的都合が付けやすいかもしれませんね。
遠方に住んでいて、なかなかお墓参りに行けない、という方は年末年始が良いかもしれません。
とはいえ、先程も述べたようにお墓参りの時期というものは特に決まりはないので、何かの節目やご先祖に報告があるときなど、自由に行かれるのもよいでしょう。
お墓参りの時間帯は、一般的には午前中や日中に行くのが良いとされています。
これは、お墓参りは何かのついでや駆けつけなどでなく、前もってきちんと計画を立てて行うもの、という古くからの考えに基づいたものとなります。
ですが、それが絶対というわけではありません。
仕事の都合や住んでいる場所の関係で、夕方や夜にお墓参りをすることになってしまう方もいらっしゃると思いますが、それはそれで問題ありません。
ただし、霊園ごとに開園時間というものが決まっていたりもしますので、その時間を守るようにしましょう。
お墓参りの仕方
次にお墓参りをするときの作法について説明します。
まずはじめに、墓前で合掌してからお墓のお掃除を始めます。
枯葉などのゴミを拾ったあと、墓石に水をかけながら雑巾で汚れを拭き取ります。
掃除が完了したら、手桶に綺麗な水を汲み直し、お清めのため柄杓で墓石に打ち水をします。
その後、花立にお花を供え、墓石中央の窪んでいる水鉢に水を入れ、お供え物を置き、お線香をあげて合掌します。
お参りが終わったら、衛生面を考え、お供え物は持ち帰るようにしましょう。
お線香はそのまま燃やしきります。お花もそのままにしておいて構いません。
故人がお酒好きだったからといって、墓石にお酒をかけることはやめましょう。
墓石が変色してしまう恐れがあります。
お墓参り お供えに向かない花
最後に、お供えに向かないお花についてです。
基本的には、お供えするお花に決まりはないのですが、棘や毒があったり、香りが強いなどといったお花は避けたほうがいいでしょう。
棘のあるものの代表的なものには、バラ・アザミ・ザクロなどがあります。
お供えする際に怪我をしてしまったり、お墓を管理している方や掃除をしてくださるかたの迷惑にもなってしまいます。
毒のある花の代表的なものは彼岸花・スズラン・スイセンなどです。
そもそも、毒のあるものは仏事全般にふさわしくないとされていますので、選ばないようにしましょう。
香りが強い花は、人によって好みがあるので避けましょう。
ですが、ユリがあると華やかになりますし、どうしても使いたいという方もいらっしゃるかもしれません。
その際は、比較的香りが控えめであるテッポウユリを選ぶと良いでしょう。
お墓参りの服装 女性
お墓参りへ向かうときの服装は、どのようにするべきか悩みますよね。
服装にも特に決まりはないので、普段の服装で構いません。
ですが、気をつけなければならないポイントはいくつかあります。
ここからは、お墓参りでは避けたい服装をご紹介していきます。
華やかな色の服
原色に近い色を選ぶのはやめましょう。
できれば黒やグレー、茶色などの落ち着いた色にするのが無難です。
肌の露出が多い服装
目上の人に会うマナーとして、控えるべきです。
暑い時でしたら、薄手のカーディガンなどを羽織ると良いでしょう。
毛皮やファーの付いた服や小物
毛皮やファーは生き物を殺して手に入れる装飾品です。
仏教では殺生を嫌いますので、そういったものが使われていないものを選びましょう。
鞄や小物などは見落としがちですので、気をつけましょう。
お墓参りの焼香の順番
お葬式のご焼香は順番が決められていますよね。
では、お墓参りの際のご焼香にも順番はあるのでしょうか。
複数人でお墓参りに訪れた際は、故人と縁の深い方、もしくは年長者から順番にお参りするのが正しい作法です。
よって、ご焼香もそれに合わせます。
お供えするお線香の本数などは宗派によって変わりますので、確認してからお供えしましょう。
お線香の火を消す際は、口で吹き消すことはせず、必ず手であおいで消すようにします。
お墓参りのマナー まとめ
お墓参りには、基本的には「こうしなければならない」ということはあまりありません。
ですが、気をつけなければならないポイントはありますので、失礼のないように必ず確認してから向かうようにしましょう。